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新庄の敬遠球サヨナラ打を呼んだ、
野村克也と“一番弟子”の絆。 

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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photograph byKyodo News

posted2020/03/11 11:50

新庄の敬遠球サヨナラ打を呼んだ、野村克也と“一番弟子”の絆。<Number Web> photograph by Kyodo News

阪神監督時代の野村氏。柏原(右)は1999年から3年にわたって「師匠」の政権を支えた。

師弟コンビ復活は1999年。

 野村と柏原。この師弟コンビが復活したのは22年後の1999年。阪神の監督に就任した野村は、柏原を打撃コーチとして招聘した。

 その年の6月12日。柏原を師と仰ぐ新庄が敬遠球をサヨナラ打する。新庄は現役時代の柏原が敬遠球を本塁打にしたことを知っていた。その数日前にも敬遠された新庄は、柏原に「次は打ってもいいですか?」とたずねた。

 柏原の答えは「打ちたいときはベンチを見ろ。こちらからサインを出すから、勝手には打つな」。新庄は見た。柏原は野村に伝えた。指示は「打ってよし」。投手の槙原寛己が敬遠を苦手としており、遠くに外せないことを見抜いていたからだ。

 柏原が自分の帽子に触れるのが「OK」のサイン。それを見た新庄はバットを振り、打球は三遊間を抜けていった。師匠、弟子、孫弟子。3代に渡る連係がぴたりとはまった最高傑作であった。

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