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鍵山優真、銀でも「悔しくて複雑」。
フィギュア世界ジュニア男子詳報。 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byJoosep Martinson-ISU via Getty Images

posted2020/03/09 11:40

鍵山優真、銀でも「悔しくて複雑」。フィギュア世界ジュニア男子詳報。<Number Web> photograph by Joosep Martinson-ISU via Getty Images

フィギュア世界ジュニア選手権男子、(左から)2位鍵山優真、1位アンドレイ・モザレフ、3位ピョートル・グメンニク。

「後輩のために3枠取りたかった」と佐藤。

 SP、フリーともグループの1番滑走を引いてしまった佐藤。特にフリーでは、6分間ウォームアップの直後の演技ということにうまく対処できなかったと告白した。

「多くの課題が見つかった大会でした。1番滑走は久しぶりで、どうやっていいのかわからないところがあった。6分間の使い方がよくわからなかった。

 早く(ジャンプを)仕上げて残りの時間はスケーティングをしようと考えていたけれど、最後1分30秒くらいまで4回転が決まらなかった」

 それでも来季の日本男子3枠が取れたことにふれると、「それはとても安心しています」と表情を緩めた。

「確実にそれだけは絶対とりたいと思っていた。後輩のために。優真のおかげというのもあるのですが、それだけはとれたというのは嬉しかったです」

1位、3位はロシア勢が占める。

 優勝したのはロシアの16歳、アンドレイ・モザレフ。

 ジュニアGPファイナルで2位だった彼は、ここではSPとフリー通してジャンプのミスはただ1か所だけという安定した滑りを見せた。

「練習のときのように、落ち着いて演技ができたと思う。でも3アクセルや4回転は、最高のできではなかった。シニアに上がったら、もっと内容の難易度を上げていかなくては」と会見で通訳を通してコメントした。

 3位にはSP9位から上がってきた17歳のピョートル・グメンニクが入った。3人中彼のみ、世界ジュニア選手権2度目の出場である。

「昨年の経験のおかげで、それほどあがらなかった。表彰台のことは考えなかったけれど、(フリーは)ほぼノーミスで滑りきることができて嬉しいです」と嬉しさを表現した。

 モザレフ、鍵山、そして佐藤とも来季からはシニアレベルに上がることを予定している。戦いは、まだ始まったばかりだ。

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