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謎の新システムに、“そっくりさん”。
F1開幕前テストの意外な話題たち。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2020/03/08 19:00
レーシングポイントの新車RP20。 昨年のメルセデスW10と比べてもらうとわかるが、ノーズなどの形状が酷似している。
初日にメルセデスに次ぐタイムを叩き出す。
それでもライバルたちがレーシングポイントを問題視するのは、レーシングポイントのマシンがメルセデスのDNAを受け継いでいるだけでなく、実際に速さを見せたからだ。
レーシングポイントはテスト初日、いきなりメルセデス勢2台に続く3番手タイムを記録。その後も終始、タイムシートの上位に名を連ねていた。そのペースは、メルセデス、フェラーリ、レッドブル・ホンダという3強に続く第2集団のトップに立つだけでなく、3強の一角を崩しそうな勢いがあった。
ホンダに焦りはない。
しかし、メルセデスのライバルであるフェラーリとレッドブル・ホンダに焦りはない。
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは「現時点でメルセデスはかなり速そうに見えるけど、真の実力は開幕数レースを戦ってみないとわからない。シーズンは長い。まだ開幕していない今、結論を出すのは早計だ」と泰然自若の構えを見せている。
昨年3勝を挙げ、打倒メルセデスを狙うレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンも、開幕戦へ向けてこう抱負を語った。
「メルセデスのことはほとんど気にしていない。テストでは、僕たちは自分たちがやるべきことに集中していたからね。そして、それは6日間のテストですべてこなすことができた。メルボルンで競争力を発揮できることを願っている」
2020年開幕戦、オーストラリアGP。予選が行われる3月14日に、その最初の答えは見えてくる。