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NCAAディヴィジョン1からBリーグへ。
宇都宮・テーブス海の“決断力”。
text by
青木崇Takashi Aoki
photograph byB.LEAGUE
posted2020/02/06 07:00
188cmというサイズはPGとして大きな武器。昨季はCAAカンファレンス新記録の253アシストを記録するなどアシストにも定評あり。
勝者のメンタリティが浸透している宇都宮。
勝者のメンタリティが浸透している宇都宮の環境は、ノースフィールド・マウント・ハーモン高校に通っていた時と似ている。そのようなカルチャーが構築されているチームに入ることは、テーブスが選手としてレベルアップできるだけでなく、渡米したころの原点を再認識する絶好の機会なのだ。
B.T.は今回、息子が下した決断を最大限に尊重している。
「海は選手としてだけでなく、独り立ちしようとしている人間として、自身で得た情報に基づいた決断を下し、うまく行かなかった場合でもそれを生かすことができます。それは我々、すべての人間に当てはまると思いますよね。
1人の若者として、以前の彼は現在よりもバスケットボールに関して私のアドバイスを必要としていました。しかし、今は選手としての将来で何が最善かを理解しており、その未来図は彼自身のものです。
“彼がすべきことは何か”を私は考えるかもしれないけど、それに合わせる必要などありません。彼がブレックス入団を決めたとき、出場時間が保証されない環境を選んだことを支持するのは簡単でした。若いプロ選手として学び、成長できる場所だからです」
「東地区のポイントガードは一番レベルが高い」
宇都宮はガードの選手層が厚く、経験豊富なベテランが揃っているだけに、テーブスはみずからの手で出場時間を得なければならない。
サンロッカーズ渋谷戦では20分23秒プレーしたが、22日の秋田ノーザンハピネッツ戦で遠藤祐亮が復帰して以降は減少。26日の大阪エヴェッサ戦からは2戦連続で1ケタの出場時間に終わっている。
とはいえ、「東地区のポイントガードは一番レベルが高いと思いますし、自分はまだそのレベルの選手じゃないと思っていますが、試合で戦っていける自信はあります。やっていくうちにどんどん慣れて、いろいろなことを吸収できたらと思います」という言葉は、チーム内で激しい競争をすることが成長につながるという実感を示すもの。
渡米した時から変わることなく自身が下した決断を信じて、テーブスは前進し続けるに違いない。