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藤田菜七子が武豊とサウジ遠征に!
3年前の悔しさを晴らす絶好の機会。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph bySatoshi Hiramatsu
posted2020/01/31 19:00
1月で13勝と、51歳となる今年も好調の武豊。一方の藤田菜七子も3勝を挙げている。
武豊はさすが、一方で藤田は。
結果は共に1着になる事は出来ずに終わったのだが、比較的さばさばした表情だったのはベテラン武豊騎手の方。10番人気の馬を2着に好走させるなど、2着2回でチームを総合3位に導くパフォーマンス。勝ち鞍こそなかったものの、さすがと思わせる騎乗を繰り返した。
一方、イベント終了後に悔しそうな表情を見せたのは藤田菜七子騎手だ。4着が1回あったものの、あとは全て着外に沈んだ彼女は唇を噛みしめつつ、言った。
「今回は自分の実力も技術も劣っていると痛感しました。もっと経験を積んで上手くなって帰ってきたいです」
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武豊騎手との直接対決という意味では6レース全てで先着を許した。それでこのような言葉が口をついたのだが、当時の藤田騎手はデビュー2年目。冷静に考えて他のジョッキー達と比べて圧倒的に経験が不足しているのは仕方のない事だった。それでも悔しさを表に出すところが、負けず嫌いの彼女らしいところだと感じたものである。
見習い騎手を卒業、その勢いで。
さて、その後の藤田菜七子騎手の活躍ぶりは皆さんご存知の通り。昨年は43勝を挙げ、自身初のJRA重賞勝ち(コパノキッキングによるカペラS)も記録した。国境を越えての活躍も見せた。
昨年6月末にスウェーデンで行われたウィメンジョッキーズワールドカップでは5回の騎乗機会で2勝をマーク。見事にシリーズの総合優勝を飾ると、イギリスで行われたシャーガーカップにも招待された。さらに今年の1月11日には中山競馬場でJRAと地方通算101勝目を挙げ、見習い騎手を卒業してみせた。
さて、今回のサウジアラビアの招待レースではどうやら4レースに騎乗出来るようだ。武豊騎手との勝敗が単純にジョッキーの腕の差というわけではないが、マカオの時とは違う成長した姿を見せる事は出来るはずだ。あと1カ月、楽しみにその日を待ちたい。