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アジア杯決勝、五輪世代と続く誤算。
森保監督への懸念は「兼任」である。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byGetty Images
posted2020/01/29 19:00
サンフレッチェ広島を3度のJ1王者に導いた実績、規律。それを思えば、森保一監督の手腕は確かなものがあるだけに……。
信頼回復は急務も兼任という懸念。
問題は、兼任への懸念である。
短い時間で仕事ができる森保は、6月のフランス遠征(トゥーロン国際大会)と7月の直前合宿でチームを作れると確信しているのだろう。その通りかもしれないが、タイで失われた信頼の回復も急務である。
3月下旬におこなわれるアフリカ勢(南アフリカ、コートジボワール)との2連戦は、これまでと同じ失敗は許されない。
ヨーロッパ組を含め、選手をどれだけ集められ、チームをどこまで構築できるか。基本のスタイルは、コパアメリカのイメージだろう。去年7月にブラジルで見せたスピーディでアグレッシブなパフォーマンスをどこまで実現できるか……。
五輪をぶっつけ本番にしないためにも、本大会までA代表はスタッフに任せ、森保は五輪代表に専念するのがベストである。
ジネディーヌ・ジダンのようなカリスマ性があるわけではない。またユルゲン・クロップのように卓越したモチベーターでもない。森保が相手のテンションの高さを跳ね返すには、理詰めで入念な準備以外にないのだから。