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サントリーの攻撃ラグビーとは何か?
SH流&SO田村熙が語るパスの極意。
text by
谷川良介Ryosuke Tanikawa
photograph byNanae Suzuki
posted2020/01/30 11:50
サントリーのSO田村熙。W杯で活躍した優を兄に持つ26歳は、代表入りも期待される逸材だ。
過去、3敗して優勝したチームはない。
「同じSOのギッツ(ギタウ)のようなスター選手とこんなに長く一緒にプレーできることは貴重ですし、実績のある(小野)晃征さんも味方を使うのがとても上手いので、見て学ぶ点は多い」
ジャパンの10番を担った兄のように成長を期待されるSOは、「やりやすい」と信頼を寄せる流とともに精度を高めていくことを誓っている。
過去、チーム数や大会形式こそ違えど、3敗を喫した王者は存在しない。さらに今季は順位決定トーナメントもない。
姫野和樹擁するトヨタ自動車ヴェルブリッツ、代表勢が揃うパナソニック ワイルドナイツ、セットピースで無類の強さを誇るヤマハ発動機ジュビロ……と、手強いチームとのマッチアップも控えている。
優勝へ向けて、後がなくなった。そんな見方もできる。
だが、まだ12試合もある。例年に比べて拮抗する試合も多く、星を取り合うことも予想できる。サントリーはすでに敗れた2戦でも7点差以内の敗戦で得られるボーナスポイント「1」を抜け目なく獲得した。1試合、1試合、着実にポイントを積み上げていくだろう。
シーズンが終わる5月、サントリーの攻撃ラグビーがどこまで仕上がっているか。巻き返しに期待したい。
発売中のNumber996号「ラグビー再入門」では、流、田村、そして同じくサントリーのSH大越元気にインタビューを実施して作成した記事、「流大の<操縦術>を見よ」を掲載しています。司令塔と呼ばれるSH、SOの役割とは何かを改めて掘り下げ、その上でサントリーのラグビーの魅力を探りました。この「ラグビー再入門」は、この他にも「リーダーシップ」「パス」「スクラム」など選手の能力や個別のプレーに焦点をあて、にわかファンにもラグビーツウにもよりラグビーを楽しんでもらうためのヒントが満載の特集です。