熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
“カズの兄”としてブラジルで注目!
現地チームを指導、三浦泰年に直撃。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada
posted2020/01/18 20:00
インタビューに応じてくれた三浦泰年氏。54歳にしてブラジルでの挑戦に打って出ている。
サンパオリと比べられるのは……。
――実際に選手たちを指導してみて、感じたことは?
泰年「ソコーロは、2018年末に設立されたばかりの地方の新興クラブ。トップチームはセルジッペ州2部に所属し、U-20は昨年の州王者となってコパ・サンパウロの出場権を獲得した。
しかし、その後、チームが解散していて監督もいなかった。練習環境も、都会のビッグクラブと比べると格段に劣る。そのような状況で、選手のセレクションから関わり、2カ月間、練習を積んで大会に備えた」
――選手のレベルをどう思いましたか?
泰年「うーん……技術的には決して高くなかった。かつて自分が所属したサントスのU-20とは比べものにならないかな(苦笑)」
――今年のコパ・サンパウロはブラジル全土から127チームが参加し、4チームずつ32グループに分かれて総当たりで対戦して、各グループの2位までが勝ち上がる方式。ソコーロは、リオの名門で過去5回優勝しているフルミネンセ、地元の強豪イトゥアーノ、ヴィリェネンセ(北西部ロンドニア州)と同組となりました。
泰年「クラブの格、練習環境、選手の質などすべての点で、フルミネンセのような超名門クラブには到底太刀打ちできない。イトゥアーノも強い。1次リーグ突破を目指したが、非常に厳しい戦いになることはわかっていた」
――昨年、ブラジルではポルトガル人のジョルジ・ジェズス率いるフラメンゴが南米王者、国内王者となり、ブラジルリーグ準優勝のサントスを率いたのも元アルゼンチン代表監督のホルヘ・サンパオリと、外国人監督が席巻しました。そのこともあって、今大会では唯一の外国人監督として、またかつてサントスやコリチーバなどで活躍した「カズ(三浦知良)」の兄として、地元メディアで大きく紹介されました。
泰年「正直なところ、ジェズス、サンパオリのような大監督と比べられることは面映ゆかった。また、自分には言葉のハンディがあり、通訳を使わざるをえなかった。しかし、もし言葉のハンディがない状況、例えば日本であれば、監督として彼らに負けない仕事ができるという自負はある」