ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
世界中を転戦する旅人ゴルファー。
26歳川村昌弘「念ずれば、叶う」
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byMasahiro Kawamura
posted2020/01/15 18:00
ゴルフ界のレジェンドでもあるゲーリー・プレーヤー(左)と写真に収まる川村昌弘。
「こうしたいから、こうする」
他人への技術指導が不得意な26歳だが、アマチュアにもひとつ“伝授”できることがあるという。
「念ずれば、叶う」
一見すると、まったくもって信憑性を欠いた怪しげなフレーズだ。
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「例えば『フェードボールを打ちたい』と聞かれても、どう教えればいいものか……」と川村。簡単に言うと、フェードは右打者の場合、ボールが左から右へ曲がっていく弾道のことである。巷のレッスン雑誌や指導法には、「アドレスを飛球線方向より左を向き、開いて構えると、フェードボールが打てる」と説明されていたりする。
じゃあ、なにか。川村選手はただ「念ずる」だけで、どんなボールを打つときもアドレスも普段と同じように構えるのか? それがプロの世界なのか?
即刻、「開くに決まってるじゃないですか」と返ってきた。
「違うんですよ。僕が言いたいのはそういうことじゃない。ボールを『こう回転させたい』と本気で考えたら、本当は構えから、打ち方も変わるはずなんです。ボールにフェード回転(上から見て右=時計回りに回転する)をかけたいと考えたら、体は(結果的に)勝手に開いて構えて、打つものだと思うんです」
構え方を、打ち方を端的に教えても、あるいは教えられても、それは表面上の知識であって、実践するために体に取り入れることとはまた別次元。
情報に溢れる世の中では、ゴルフに限らず、とかくコツや上達への近道を手軽に吸収できる。ただ、そんな方法論ばかりに目が行き、いつのまにか物事の本質を見過ごしたり、筋を見誤ったりすることも多い。
「こうすれば、こうなる」ではなく「こうなるためには、こうする」「こうしたいから、こうする」
念ずれば、叶う。思いを、行動に。
旅人はきょうも信念を持って、世界のどこかでティオフしている。
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