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那須川天心の強さ、まさに“悪魔的”。
適正体重と新技から見えた新領域。 

text by

橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph by(c)RIZIN FF Susumu Nagao

posted2020/01/09 19:00

那須川天心の強さ、まさに“悪魔的”。適正体重と新技から見えた新領域。<Number Web> photograph by (c)RIZIN FF Susumu Nagao

圧倒的な勝利で2019年を締め括った那須川天心。2020年は「オリンピックより面白いことがしたい」。

那須川はまだ全貌を明らかにしていない!

 適正階級に近く、燃える相手がいて、さらに新技も。

“誰も見たことがない那須川天心”は、さまざまな条件が揃うことで姿を現した。逆に言えば、彼はまだ全貌を明らかにしていなかったわけだ。おそらくこの江幡戦ですら、過程に過ぎない。

 今後も上の階級の選手と対戦する機会は多いだろう。だが体を大きくしてベースとなる階級を上げようとは考えていないようだ。その理由は「今後のこともあるので」。まだ21歳、いずれキックボクシングではない格闘競技で“世界”を獲りに行くことも充分に可能だろう。そうした意味でも、那須川天心というファイターは底知れない。

「今日の試合はリラックスして、本気で力を抜いて闘うことと、悪魔的な強さを見せるのがテーマでした。両方できたと思います」

 高校1年生でプロデビューして以来、“神童”と呼ばれてきた那須川が「悪魔的」という言葉を使うというのも興味深い。

 見る者にとっては神のようであり、対戦相手にとっては悪魔のような男。ただ、その人智を超える強さは、体重やモチベーションや技術といった、あくまで人間的な営みから生まれたものでもあるのだ。那須川天心は人だからこそ、神にも悪魔にもなることができる。

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那須川天心
江幡塁

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