Beyond The GameBACK NUMBER
「ミョウジン」と呼べばよいのだ。
~明神智和という希少な存在感~
posted2020/01/12 19:00
text by
藤島大Dai Fujishima
photograph by
AFLO
ひとりをずっと追う。集団競技の観戦の密かな楽しみだ。昔、ある男について実行してみた。
2003年7月26日。国立競技場。午後7時2分キックオフ。
見た。明神智和だけを。
Jリーグ、柏レイソルのゴールドでなくシルバーの光を放つ中盤はあのとき25歳だった。
当時、ずっと「わが格別なるひいき、明神のみを凝視」というプランを練っていた。いよいよ当夜がやってくる。記録を繰ったら、柏はジュビロ磐田に「0-1」で負けていた。そこはどうでもよかった。ただただレイソルの背番号7の途切れぬ攻守を双眼鏡で密着マークした。