フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
五輪女王「1人のファンとして楽しみ」
アイスダンス高橋大輔へのエール。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2020/01/07 15:00
2019年の全日本フィギュアで最後のシングルの演技を終え、笑顔を見せた高橋。今年から新たな挑戦が始まる。
「しんどかったですけど、良い経験になった」
全日本選手権で見せた演技は、5年前に実現できなかった、シングル選手高橋大輔の最後の舞台となった。
「昨季復帰してから、自分の第2の人生スタートだと思っていたので、2シーズン目もいろいろうまくいかなかったことがたくさんあるんですけど、こういう経験も次にはつながると思います。
次に向かって、新しいステージにはなるんですけど、この経験っていうのは糧になってくると思いますし次に向けてすごく、しんどかったですけど、良い経験になったなと思います」
新たな人生の章へ。
かつて世界の頂点に立った高橋にとって、満足のいく演技は見せられなかった。だがこの経験が、次のスケート人生への糧になってくれるであろうことを強調した。
「次のアイスダンスに向かうにあたって、僕自身初心者ですし、世界と戦っていくっていうのが、本当にもう下からはい上がっていかないといけない。そういった経験を先にシングル1人でまた改めてしてるっていう、何て言ったらいいかちょっと難しいんですけど、この経験は次に生きるのかなっていうふうには感じているので」
彼と村元がコーチに選んだのは、これまで多くのアイスダンスチャンピオンを育ててきた、ロシア出身のマリナ・ズエワだ。
このズエワが育てたアイスダンサーの1人で、ソチオリンピック金メダリストのメリル・デイビスは、10月のスケートアメリカで会った際に高橋のダンス転向について筆者にこう語った。
「ダイスケがアイスダンスに転向するというニュースは、私にとってもサプライズでした。でも実は、チャーリー(・ホワイト、デイビスのパートナー)と私は、これまで何度もダイスケに、『アイスダンスやれば』と冗談半分で言っていたんです。
だからニュースを聞いたときにすぐ、彼に『何か手助けが必要だったら、いつでも連絡して』とメッセージを送りました」