いつかまゆゆにジャイアントスイングを！

　今年11月には両国国技館でタッグベルトを巻いた。3度目の王座挑戦だった。

　インタビュースペースで肩にかけたベルトを腰に巻こうと思ったが“プロレスのベルト”の装着方法が分からない。パートナーの辰巳リカに巻いてもらうと、未詩は「他の（アイドルの）オーディションに受かっていたら、こんな素敵な人生にならなかった」と泣いた。

　未詩はアイドルでレスラーで、なおかつパワーファイターだ。

　デビュー戦のフィニッシュはカナディアン・バックブリーカー。ベアハッグ、投球フォームから繰り出すチョップ「レーザービーム」も得意技だ。実力をつける中で、ジャイアントスイングも使うようになった。レスラーになる前から知っていた唯一の技で、フィジカル強化によって身につけることができたそうだ。

「ジャイアントスイングはずっとやりたかったんです。私にとっては“まゆゆ（渡辺麻友）がテレビで回されてた技”なので。私もいつかまゆゆを回したいなって（笑）」

先輩から受け継いだ“アプガ魂”とは。

　今、未詩の中ではアイドルであることとレスラーであることが違和感なく一体化している。レスラーとして成長するだけでなく、アイドルとしてのレベルアップも欠かせないと言う。

「今はライブの質を上げたい。もっと歌がうまくならなければと思ってます。“なりたい”じゃなく“ならなければ”ですね。新曲がほしいとかどこでライブがしたいとかの前に、見せ方とかパフォーマンス力、技術面を上げていかないと。

　最近ハロプロさん（ハロー！プロジェクトのグループ）をよく見るんですけど、アイドル界でも技術で言ったらトップクラスですよね。私の先輩の（仮）さんもハロプロエッグ（研修生）出身なので技術を高める意識が強いんです。激しいライブが魅力なんですけど、関係者の皆さんは『基礎があるから』と。私も（仮）さんの妹分として、そこをしっかりしたい。上の段階に行くには絶対に必要なことだと思ってます。基礎を大事にするのも、目標に向かって闘うのも（仮）さんから続くアプガらしさ。

　私もアップアップガールズを名乗っている以上、そうしていかないと。アイドルとしてもレスラーとしても“アプガ魂”を見せたいです」

　1月4日のビッグマッチ、後楽園ホール大会では天満のどか＆愛野ユキの姉妹タッグを相手にタッグ王座の初防衛戦を行なう。先日「ベルトを巻いてアイドルライブに出演する」という目標を実現させたばかり。防衛すればするほど、チャンピオンとしてステージに上がる期間も長くなる。

「ベルトを巻いてのライブは、今までより視線が集まるのを感じます。“プロレスもやってます”と“チャンピオンです”ではかなり違うんだなって」

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