ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
鈴木みのると中井祐樹が語るあの頃。
パンクラスは修斗の仮想敵国だった。
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byEssei Hara
posted2019/12/28 20:00
パンクラスを旗揚げ当初の鈴木みのる。25年を経て、“あの頃のシューティング”の顔である中井祐樹とタッグを組む。
プロスポーツとして昇華した今。
対戦相手は、70年代の新日本プロレス道場時代から関節技の腕を磨いた、総合の源流でもある藤原喜明と、鈴木&船木時代後のパンクラスをエースとして牽引し、今も現役の総合格闘家を続ける近藤有己。
あれから20年以上の時は流れ、現在、パンクラスと修斗は、ともにアジア最大の総合格闘技団体『ONE Championship』と提携を結び、チャンピオン同士の頂上対決を含み、交流が当たり前の状況となっている。その試合は、もはや団体対抗戦ではなく、MMAという名の下、両団体を主戦場とする選手同士が競い合う、個人と個人の闘い。
それは、かつて鈴木や中井世代のパンクラスや修斗の選手たちが、互いに競い合い、試行錯誤を続けたことで世の中に定着した総合格闘技が、プロスポーツとして昇華した証だ。
そんな時代になったからこそ、鈴木みのるは中井祐樹とタッグを組み、藤原&近藤と闘うことで、令和元年の最後になんらかのメッセージを発したいということだろう。