良きライバル佐藤駿と競って。

　今シーズンは、ジュニアGP初戦のクールシュヴェル大会で優勝。2戦目のバルティック杯でも2位に入り、ジュニアGPファイナルに進出した。

　だがトリノのジュニアGPファイナルではSPでアクセルをミスして、6人中6位という厳しいスタートに。フリーで盛り返したものの、総合4位と表彰台を逃した。

　優勝したのは、進出したもう1人の日本人男子ジュニア、スケート年齢で1歳年下の佐藤駿だった。

　2人は良き友人であり、激しく競り合っている良きライバルだ。11月半ばの全日本ジュニアでは鍵山が優勝し、佐藤が2位。だがジュニアGPファイナルでは佐藤が優勝、鍵山が4位だった。

　ジュニアGPファイナルのことを聞かれると、鍵山はこう答えた。

「今まで一番悔しい思いをして、すぐに気持ちが（シニアの）全日本に向けて燃えていたのでこの悔しさをぶつけてやろうと思いました」

SPでは初の4回転に成功。

　だが代々木でも、ジュニアGPファイナルと同じように、SPのアクセルでミスをしてしまった。踏み切った瞬間に体を締める間もなく空中に上がり、ワルツジャンプと呼ばれる半回転アクセルになってポイントがゼロに。普段よりもトウピックが早く入ってしまい、「つまずいた感じ」になってしまったのだという。

　それでもその後、4トウループをきれいにきめた。ジュニアの大会ではSPでは4回転を入れることはルール上許されていない。いつからＳＰで4回転を入れて練習を始めたのか。そう聞くと、鍵山はこう答えた。

「全日本ジュニアが終わって全日本シニアの出場が決定したときから、4回転は絶対やりたいと思っていたので、ファイナルが終わって日本に帰ってきてから、ずっと4回転を練習していました」

【次ページ】　「自分もすごい気持ちが燃えました」