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プレーも精神面も成長する西田有志。
19歳に感じるVリーグを背負う覚悟。
posted2019/12/25 19:00
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
V.LEAGUE
バレーボールの2019-20 V.LEAGUE DIVISION1(V1)男子は、12月22日に年内の試合が終了した。現在のところ首位は15勝1敗のパナソニックパンサーズ、2位は同じく15勝1敗で、勝ち点2ポイント差で追うジェイテクトSTINGS。年内の前半戦は、昨シーズン7位のジェイテクトが台風の目となった。
2012-13シーズンにプレミアリーグ(現在のV1)昇格を果たし、V1での7年目を迎えた今年、ジェイテクトは大型補強を敢行した。イタリア・セリエAや欧州チャンピオンズリーグなどで幾度も優勝を経験した世界的名プレーヤーのカジースキ・マテイを2シーズンぶりに呼び戻した。
またミドルブロッカーでは、アジア枠で身長210センチの中国代表・饒書涵を獲得し、昨季限りで東レアローズを退団した207センチの伏見大和も加入。リベロの本間隆太が、「2人がいると全然違う。上から(抜けてくる)という選択肢が減るので、ブロックの脇に入って上げればいい」と言うように、高いブロックが加わりコースを限定しやすくなったことで、もともとディグのいい本間や浅野博亮らの守備がこれまで以上に機能するようになった。
何より、今季のジェイテクトの一番の武器はサーブだ。サーブ効果率1位のカジースキ、2位の西田有志が強烈なサーブを打ち込み、ブロックとディグの連携で拾ったボールを、攻撃の2本柱である西田とカジースキが得点につなげブレイクを重ねていく。
W杯でブレイクした西田効果。
大幅に増えた観客も選手を後押ししている。今季は開幕から、ジェイテクトの試合はほぼ満員という状態が続いている。
そこに大きく貢献しているのが19歳のオポジット、西田有志である。今年10月に開催されたワールドカップでの活躍が影響している。
ワールドカップで西田はオポジットのレギュラーとして躍動。ベストサーバー部門で大差の1位に輝き、ベストオポジットにも選出された。特に、最終戦となった10月15日のカナダ戦第5セット終盤に、5本のサービスエースで試合を締めくくった姿は強烈なインパクトを残した。
その約10日後のV1開幕戦の日は、ジェイテクトの試合の3時間前にはグッズ売り場に長蛇の列ができ、試合前に売り切れたグッズもあったほど。試合後はいつも出待ちのファンがあふれている。