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J2降格ジュビロ、監督続投も……。
「強化の責任はどこにあるのか」

posted2019/12/03 18:00

 
J2降格ジュビロ、監督続投も……。「強化の責任はどこにあるのか」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

J2降格が決まった後、横断幕を磐田サポーターたち。クラブを愛するがゆえの言葉だろう。

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望月文夫

望月文夫Fumio Mochizuki

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J.LEAGUE

 11月30日第33節、J1ジュビロ磐田がついに力尽きた――。

 名古屋グランパス相手の今季ホーム最終戦でシーズン初の2連勝を演じたものの、残留を争う湘南ベルマーレが勝利したため、最終節を待たずにクラブ史上2度目となる来季のJ2降格が決まった。

 試合直後のセレモニーでは、主将のDF大井健太郎とクラブの小野勝社長がそろって「必ず1年で戻ってくる」と最短でのJ1復帰を宣言。しかし、大井には拍手と激励の言葉が飛んだが、社長の声高なメッセージはファン、サポーターの激しいブーイングにかき消された。

 降格が決まった直後とあってか、スタンドに陣取った40代の男性サポーターは「補強を見ても、去年苦しんだ(16位でJ1参入プレーオフ)反省がまったく生かされていない。フロントは真剣に上位争いする気があるのか疑問だ」と怒りを露わにし、「もう応援する気がなくなった」と言い放ってスタジアムを後にした。

 スタンドには「このクラブの強化の責任はどこにあるのか」と書かれた横断幕が掲げられ、まさに怒りの矛先であるクラブのフロントの甘さが、今回の降格への大きな要因だったことは否めない。

ずれた歯車を修正できず……。

 昨年は勝点41を獲得しながらも、終盤に失速し、プレーオフへ。結局J2を勝ち上がった東京ヴェルディには2-0と快勝し残留を決めたが、チーム総得点数はリーグワースト2位の「35」と、今季を戦うための補強ポイントは明らかだった。

 しかし、降格決定後に振り返った小野社長は「プレーオフを戦ったことで、補強のタイミングが若干遅れた」としたうえで、「(2018年に長期離脱していたMFアダイウトンら)主力組がケガから復帰したことで、しっかりと戦えると判断したが、少しずつ歯車がズレた」と説明し、見通しの甘さを認めた。

 結局、今季の補強で序盤から主力組に加わったのは、ルクセンブルク代表FWロドリゲスのみだった。

 そのうえ活躍が期待された頼みのアダイウトンは第3節大分戦に初ゴールを決めたものの、なかなか得点に絡めないまま中盤を迎えた。そこに元日本代表FW川又堅碁のケガなども重なり、開幕ダッシュを狙ったチームの初勝利は第6節湘南ベルマーレ戦と厳しい船出となってしまった。

【次ページ】 エースの移籍、監督交代でも。

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