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大谷翔平の起用プランに新展開。
来季は、先発と一塁手で二刀流?
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byKyodo News
posted2019/12/03 08:00
今シーズン中もリハビリとしてブルペンで投球練習を続けてきた大谷翔平。来シーズンは再び二刀流が見られるか。
「正直、プランは持っているよ」
その才能に目を細めた指揮官は投打の柱として既に大きな期待を寄せていた。エース不在のチーム事情。先発投手として週1回、27試合の先発では確実にチームに勝つチャンスを与えて欲しい。
その上で、打者としては週3、4回の先発出場。代打での起用も考えれば、年間で最大400打席ほどになる。過去2年の打席数同様の出場と言えるが、二刀流の起用法を問うとアイディアマンはまずこう言った。
「それはビリー(エプラーGM)が考えることだ。彼の仕事だよ」
だが、そうは言うものの、マドン監督は笑っていた。意味深に続けた。
「正直、プランは持っているよ。ここで、皆さんの前でシェアする話ではないから言わないけどね(笑)」
大谷が守備につければ、オプションが増える。
先発投手とDHとしての二刀流。それがメジャーでのスタンダードだったが、来季は野手としての二刀流もあるのか。エンゼルスのチーム事情を考えれば、それは十分にあり得る話だ。
今季はトミー・ジョン手術のリハビリ過程でもあり、大谷にはDH、もしくは代打としての出場しか許されなかった。言わばDH専任の選手だった。
今に始まった話ではないが、25人の限られた選手枠の中、DH専任の選手をベンチに置く時代はとうの昔に終わった。DHは主力野手に休養を与える場であるのに、エンゼルスにはそれが出来なかった。打力のある大谷を打線に留めるために、連日DHの座が彼に与えられたからだ。
本来ならば、39歳の一塁手アルバート・プホルス、足に故障を抱えながらMVPに輝いた正中堅手マイク・トラウトのDH起用をもっと増やしたかった。だが、それが許されなかった。
“大谷が守備につければオプションは確実に増える”ことは誰もがわかっていながら、現実不可能な話は声にならなかった。