武蔵丸の辛口御免 Oh!相撲BACK NUMBER
朝乃山が大関に? 白鵬のかち上げは?
武蔵丸が九州場所から1年を振り返る。
posted2019/11/28 18:00
text by
武蔵川光偉Musashigawa Mitsuhide
photograph by
Kyodo News
一年納めの九州場所が終わったね。
今場所はまずは横綱の鶴竜が初日から休場し、豪栄道に高安の2大関も栃ノ心も、上位陣が櫛の歯が欠けたようにいなくなってしまった。若手の注目株である友風や若隆景も早々に休場。
土俵下に落ちて、「え? これでケガしちゃったの?」と思うほどのちょっとした動きで痛めてしまうのね。それって、まず「戦うための体ができていない」ということでもあるんだよ。それに、後ろに下がったり引いたりの相撲は、必ずケガにつながるんだ。
玉鷲がケガが少ないのは、前に出る相撲が多いから。下がったり引いたりと余計な動きをすると、体勢が崩れて、もつれて、それで膝を痛めることになるんだヨ。
御嶽海の大関取りの行方は……。
高安の場合は、支度部屋で腰を痛めて急遽の休場だった。
高安は相撲が巧いタイプじゃない。よく立ち合いでかち上げに行くんだけど、彼の場合は腰に負担が掛かるのね。前みつとって脇を締めて行くならいいんだけど、かち上げた時に体が反ってしまっているから、相手の体重が自分に掛かってきちゃっている。足も揃ってしまっているし、これじゃ腰も悪くなるよ。ケガをしない体作りも大事だけど、ひとつひとつ相撲を考えて取っていかなきゃ。腹も一回り小さくなって、お尻もしぼんで見える。まだまだもったいないよ! 今回の休場で関脇に落ち、来場所は大関復帰を賭けるけど、ちょっと心配だな……。しばらくは稽古もできないだろうしね。
そして今場所は御嶽海が大関取りの場所とされていたけれど、結果はまさかの負け越し。一から出直しすることになってしまった。
14日目の白鵬戦で勝っていればまだ印象はよかったけれどな。右張ってくるのはわかってるんだから、計算しないとダメだヨ。それは常に頭の中に入れておかないとな。まずは、「張って下さい!」とばかりに顔上げて行くのではなく、もっとあごを引いて行け。