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リオの象徴キリスト像までユニ姿。
劇的な南米王者フラメンゴの狂宴。 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byGetty Images

posted2019/11/26 17:00

リオの象徴キリスト像までユニ姿。劇的な南米王者フラメンゴの狂宴。<Number Web> photograph by Getty Images

リオ市内でのフラメンゴの優勝パレード。こんなに幸せそうな“バス囲み”は見たことがない。

終了直前、ガビゴルの劇的な決勝弾。

 アディショナルタイムは4分。47分、ジエゴが自陣からトップのガビゴル目がけて約50mのロングパスを放つ。

 ガビゴルはリーベルのCB2人に挟まれており、ボールはガビゴルと元アルゼンチン代表CBハビエル・ピノーラの頭上を越える。ワンバウンドしたボールをピノーラが頭でクリアしようとしたが、これがガビゴルの前にポトリと落ちた。すかさず左足で強烈なシュートを放つと、GKの横を破ってゴールネットを揺すった。

 山が動き、その後は何も動かなかった。勝者の歓喜と敗者の悲嘆、というスポーツで避けることのできない残酷なコントラストが出現した。

 後半は選手交代で明暗が分かれ、ジェズス(ポルトガル語で「イエス・キリスト」を意味する)がナポレオンを凌駕した。

 試合後、ジェズス監督は「前半は苦しい時間が続いたが、後半、選手たちがよく盛り返してくれた」と冷静な中にも喜びをのぞかせた。

各地で数百万人がカーニバル。

 一方、ガジャルド監督は「心がひどく痛い。タイトルに手がかかっていただけに……」と悲痛な表情で「85分間、フラメンゴにフットボールをさせなかったが、同点にされてから反発する力が残っていなかった」と悔やむ。

 それでも「良い試合だった。ここまで戦ってくれた選手たちを誇りに思う」と選手たちを称えた。

 ガジャルド監督が言うように、85分ほどの間、フラメンゴはほぼ何もできなかった。しかし、そこからやっと本来のフラメンゴになり、3分9秒の間に2点を奪って試合を引っ繰り返した。

 フラメンゴの本拠地マラカナン・スタジアムでは約5万人がパブリック・ビューイングで一喜一憂し、劇的な勝利に喜びを爆発させた。

 リオをはじめとするブラジル各地で、数百万人のフラメンギスタが町へ繰り出し、夜通し歌い踊った。3カ月早いカーニバルだった。

 なおリオのシンボルであるコルコバードのキリスト像は、試合前日からフラメンゴのユニフォームをまとっていた(実際には、像の上にユニフォームの映像が投射されているのだが)。

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