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ムードメーカー菅原由勢、という才。
五輪代表&ELで「ポジティブ」に。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byGetty Images
posted2019/11/23 09:00
AZのチームメートと明るい表情で触れ合う菅原由勢。そのキャラクターを前面に、欧州の舞台で走り回ってほしい。
川口能活GKコーチもいじったり。
ふと、この際、聞いてみようと思った。
U-20W杯の際にネガティブな発言をしなかった理由を。すると、返ってきた言葉に菅原らしさが溢れていた。
「自分としては、自分の口からネガティブな言葉を吐き出すと、やっぱり自分のマインド的にもネガティブになってしまうという性格をわかっているんです。やっぱり自分の発する言葉というのはポジティブにしようというのは心がけていて、そうすれば自然と自分の内面的にもポジティブになってくると思う。そこは自分自身心がけてやっています」
練習中にレジェンドである川口能活GKコーチをいじるメンタリティー。どの世代でもチームのムードメーカーになれる明るい性格。いつでも真っ直ぐな言葉のひとつひとつ。約5カ月経っても、やはり菅原は菅原だった。
コロンビア戦後も下を向かなかった。
11月17日のコロンビア戦、東京五輪世代となるU-22日本代表の一員として右ウイングバックのポジションに立つ菅原の姿があった。U-20W杯の敗退後、様々な思いを胸に秘めながら歩みを進めてきた男にとって代表の舞台は“特別な場所”である。
「やっぱりああいう大きな舞台の悔しさというのは、自分が世界に出て晴らすしかないと思っていた。あの1本のミスでチームの大会を終わらせてしまったし、非常に重く受け止めていました。でも、やっぱりもう終わったことだし、次はA代表、この五輪というところで見返していければいいと思っていて、それを糧にしてここまでやってこられている。本当にあのミスひとつで、ここまでこられているなと思っています」
勝利を目指して挑んだU-22コロンビア戦は、勝利をつかむことはできなかった。チームとしても散々なものだったが、自身としてもプレー面で変化をもたらせなかったことは悔しさが残った。
ただ、菅原はやはり下を向くことなく、しっかりと事実を受け止めながら前を向いた。
「僕には間違いなく金メダルの思いが誰よりもあります。だから本当にこのままでは金メダルは確実に無理だと思う。厳しいことを言うようですけど、まだまだ全然ダメだと思います。東京五輪で金メダルを取るという確実に果たさなければいけない目標があるので、やっぱり全選手がクラブに戻って、そのために準備していく必要があると思います」