令和の野球探訪BACK NUMBER
ドラフト指名漏れの高橋佑樹が力投。
日本一に導いた慶應大左腕の神宮愛。
text by
高木遊Yu Takagi
photograph byYu Takagi
posted2019/11/21 20:00
捕手・郡司裕也(中日4位)と抱き合う高橋佑樹。大好きな神宮のマウンドで日本一に輝いた。
東京ガスへ進み、プロを目指す。
歓喜の瞬間を迎え、この日の高橋に涙はなく笑顔がこぼれた。充実の表情で感謝の言葉を並べた。
「優勝した瞬間に初めてマウンドにいることができて嬉しかったです。今日は全部良かったです。相手の情報を集めてくれたデータ班とそれを噛み砕いてリードしてくれた郡司(裕也)のおかげです」
今秋はプロ志望届を提出したが、ドラフトでは指名漏れ。卒業後は社会人野球の強豪・東京ガスへ進む。今後は都市対抗予選などで、会社を背負ってこの神宮で投げることになるだろう。
いつか、幼い頃から夢見ていたあのユニホームでマウンドに立つ日は来るのだろうか。高橋佑樹には、まだこのマウンドで叶えられる夢が残っている。