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大学1年の“三四郎”が頂点に。
加速する90kg級三つ巴の闘い。
~ベイカー茉秋を破った19歳~

posted2019/11/21 06:30

 
大学1年の“三四郎”が頂点に。加速する90kg級三つ巴の闘い。~ベイカー茉秋を破った19歳~<Number Web> photograph by AFLO

東海大入学時には「令和の三四郎」と呼ばれる活躍をしたいと語った村尾。着実な成長で夢の東京五輪出場に迫る。

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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 リオデジャネイロ五輪金メダリストのベイカー茉秋を破って優勝したのは、伸び盛りの19歳だった。11月2、3日に千葉市で行なわれた講道館杯「全日本柔道体重別選手権」男子90kg級で、東海大学1年の村尾三四郎が初優勝を飾った。

 ベイカーとの決勝戦では出だしから前へ出て技を仕掛け、主導権を握った。対するベイカーは組み手に苦労し、開始50秒過ぎと3分手前に指導を与えられる厳しい展開。技を掛けた際に場外と見なされて気持ちが乱れたことも影響し、焦りが出た。すると、ゴールデンスコア突入直前の残り4秒で、村尾がベイカーの一瞬の隙を突いた。内股が決まって技あり。これで決着した。

「(3位だった)昨年は勝ち上がる度に喜んでいたが、今年は決勝まで気持ちの緩みがなく集中していた。狙って獲った優勝なので、自分の中で価値がある」

 村尾は誇らしげだった。今夏の世界選手権に混合団体の最年少メンバーとして出場し、金メダルに貢献して自信をつけていた。

11月のグランドスラム大阪が勝負?

 男子90kg級の選考は、今年の世界選手権で銀メダルを獲得した向翔一郎が一歩リードしている。また、講道館杯では村尾に敗れたものの、ベイカーは'17年の右肩手術を乗り越えて、大幅に復調してきている。キックボクシングの動きを採り入れる異色派の向。接近戦が得意でスタミナのあるベイカー。そして、長いリーチを生かした巧みな組み手から足技を繰り出す村尾。異なるタイプの選手による三つ巴の闘いから抜け出すのは誰か。

 この3人に'18年世界選手権銅の長澤憲大を加えた計4人が出場する「グランドスラム大阪」は、11月22~24日に行なわれる。海外トップ選手も集まるこの大会は、東京五輪代表選考で非常に重要な位置づけ。4人の中で最も若い村尾は「五輪前年なのですごくレベルの高い試合になると思うが、相手が誰であっても一人の敵であるだけ」と邪念がない。あるのは決意のみだ。

「小さい頃から五輪の優勝を目標として、自分に妥協せずにやってきた。人一倍、気持ちや覚悟を持っていると思っている」

 東京五輪一直線の三四郎はギラギラしている。代表争いがどんどん激化する。

<ボクシング総力特集>KO主義

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