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ビジャが残した華麗なゴールたち。
メッシ、ペップが信頼した男の功績。 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byGetty Images

posted2019/11/14 11:30

ビジャが残した華麗なゴールたち。メッシ、ペップが信頼した男の功績。<Number Web> photograph by Getty Images

電撃引退を発表したビジャ。Jリーグでも多くのゴールで観客を魅了してくれた。

盟友、ライバルと比較してみても……。

 ビジャの通算試合とゴール数を比較してみたいのは、リーガで輝いた5人のストライカーだ。同時代の盟友トーレス、Jリーグにも来たフォルラン、現在バルサとレアルに所属するスアレスとベンゼマ、そしてスペインを象徴するFWラウールである。彼らがリーガ1部で残した数字(スアレスとベンゼマは2019-20シーズン第13節終了時点)は以下の通りである。

トーレス(A・マドリー)
281試合103得点
2ケタ得点達成:9シーズン中6回

フォルラン(ビジャレアル、A・マドリー)
240試合128得点
2ケタ得点達成:7シーズン中6回

スアレス(バルセロナ)
173試合137得点
2ケタ得点達成:5シーズン中5回

※2019-20シーズンは含めず

ベンゼマ(レアル・マドリー)
323試合157得点
2ケタ得点達成:10シーズン中8回

※2019-20シーズンは含めず

ラウール(レアル・マドリー)
550試合229得点
2ケタ得点達成:16シーズン中11回

メッシ、ロナウドに次ぐ点取り屋。

 こう調べてみると、メッシの影に隠れているがスアレスのコンスタントさ、そしてラウールの数字に改めて驚かされる。ただビジャの出場試合と得点数の多さはすなわち、リーガの一線級で戦い続けた証である。それを踏まえればメッシとロナウドに次ぐクラスの点取り屋だった、としても言い過ぎではないだろう。

 なおかつビジャの場合、バルサに所属したのは3シーズン。残留がシーズンの目標設定となるサラゴサ、そしてダビド・シルバとのホットラインが冴え渡ったとはいえ、当時のバルサとレアルという2強とは戦力差があるバレンシアでもゴールゲッターであり続けたことは、大きな価値と言える。

 さて今回の電撃引退で実感することは、世界的ビッグネームがJリーグにいるという事実の大きさだ。

 トーレス、ビジャと続き、そんなことは想像したくないが、アンドレス・イニエスタとのお別れの時も、きっと遠い未来ではない。

 いるのが当たり前、になりつつあるJリーグだからこそ――天皇杯を含むビジャの残りの数試合、そして日本を選んでくれたビッグネームのスーパープレーに今一度注目したいところだ。

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