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ラッキーライラックとスミヨン。
エリ女でメジロドーベル以来の快挙。

posted2019/11/11 12:10

 
ラッキーライラックとスミヨン。エリ女でメジロドーベル以来の快挙。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

ラッキーライラックの復活で、牝馬戦線は混迷の度合いを増した。ラヴズオンリーユーの復活も待たれる。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 父の背中を知るフランスの名手が、苦しんでいた2歳女王を鮮やかに復活させた。

 第44回エリザベス女王杯(11月10日、京都芝外回り2200m、3歳以上牝馬GI)で、クリストフ・スミヨンが騎乗する3番人気のラッキーライラック(4歳、父オルフェーヴル、栗東・松永幹夫厩舎)が優勝。昨春のチューリップ賞以来1年8カ月ぶりの勝利を挙げた。GI勝利は一昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ以来、1年11カ月ぶりであった。

 1番人気に支持された「無敗のオークス馬」ラヴズオンリーユーが好スタートを切り、正面スタンド前ではハナを切ろうかという勢いだった。が、鞍上のミルコ・デムーロは後ろに重心をかけて手綱を引き、内のクロコスミアを先に行かせた。

 初騎乗の藤岡佑介が乗るクロコスミアはそのまま単騎逃げの形に持ち込み、1、2コーナーを回りながら徐々に後ろとの差をひろげた。

スタンドがどよめいた3コーナー。

 向正面で、逃げるクロコスミアの3馬身ほど後ろの2番手にラヴズオンリーユーがつけた。差なくフロンテアクイーン、センテリュオ、サラキアらがつづく。

 ラッキーライラックは、そこからさらに3馬身ほど後ろの中団の内にいる。

「もう少し前のポジションを取るつもりだったが、思ったより後ろの位置になった。ペースはそれほど速くなかったが、前走より距離も延びているし、ここで無理に押していくのはよくないと思い、内で溜めて行った」とスミヨン。

 1000m通過は1分2秒8。数字のうえでは確かにスローなのだが、馬群は先頭から最後方まで15馬身以上の縦長になっている。

 3コーナーでクロコスミアが後続との差を7馬身から8馬身へとひろげると、スタンドがどよめいた。

 クロコスミアが単騎先頭のまま直線に入った。

【次ページ】 ラヴズオンリーユーは外を狙った。

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