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ハミルトンが6度目の総合優勝。
シューマッハーとの比較は無意味?
posted2019/11/10 19:00
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph by
AFLO
アメリカGPで2019年のタイトルを獲得し、通算6度目のチャンピオンに輝いたルイス・ハミルトン。これにより、ハミルトンはタイトル獲得回数で、'50年代に活躍した伝説の王者、ファン・マヌエル・ファンジオの通算5度の記録を超え、歴代単独2位に躍り出た。
いまハミルトンの前にある乗り越えるべき目標が、「皇帝」と称されたミハエル・シューマッハーが持つ、様々な記録だ。
'20年にハミルトンが肩を並べるか、あるいは更新するだろうと言われている記録は次のとおりだ(ハミルトン、キミ・ライコネンの記録はいずれも'19年アメリカGP終了時点のもの)。
●年間王者獲得回数
歴代1位 シューマッハー 7回
歴代2位 ハミルトン 6回
●優勝回数
歴代1位 シューマッハー 91勝
歴代2位 ハミルトン 83勝
●表彰台獲得回数
歴代1位 シューマッハー 155回
歴代2位 ハミルトン 150回
●レース入賞回数
歴代1位 シューマッハー 221回
歴代2位 ライコネン 212回
歴代3位 ハミルトン 211回
記録が更新されるのは時間の問題。
ハミルトンは'07年にF1デビューして以来、今季までの13シーズンに渡って毎年1回以上優勝を続けているただひとりのドライバーであり、歴代2位となる連続入賞記録を現在も更新し続けている(アメリカGPで31戦連続入賞。歴代1位の33戦連続もハミルトンが'16年日本GP?'18年フランスGPで記録したもの)。
34歳となったいまなおこうして進化し続けていることを考えると、近い将来、シューマッハーが持つこれらの記録も、ハミルトンが打ち破ることは間違いないだろう。
だが、このような数字の上でドライバーたちを比較することに意味がないと語るのは、メルセデスでハミルトンのレースエンジニアを務めるピーター・ボニントンだ。
「2人がレースしていた時代はレギュレーションも違えば、ライバルたちも異なるから、単純には比較はできない。ただ、ひとつ言えることは、ミハエルもルイスも素晴らしいドライバーということだ」