プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
首骨折でもIWGPジュニアを守った男。
ファンが待ちわびた高橋ヒロムの帰還。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2019/11/06 19:00
深刻な頚椎の怪我を負ったはずの選手が……怪我を完治させ、見事な首ブリッジを披露した高橋ヒロム
ライガーの引退試合を忘れてないか?
ヒロムは2020年1月4日にオスプレイのIWGPジュニアヘビー級王座に挑戦することが決定した。
だが、オスプレイとヒロムはジュニア選手として意気投合したように、「5日のメインイベントとしてこれを行いたい」と言う一幕もあった。
新日本プロレスは公式に、5日に、4日のオカダ・カズチカvs.飯伏幸太のIWGPヘビー級戦の勝者とジェイ・ホワイトvs.内藤哲也のインターコンチネンタル戦の勝者によるダブル・タイトルマッチを行うことを発表したのでこれが覆ることはないだろう。
ふと、1つ忘れてはいないか、と感じた。獣神サンダー・ライガーの引退試合だ。ジュニアヘビー級のカリスマの引退試合だ。
ライガーの引退試合は1月4日と5日に2試合行われるが、4日は8人タッグマッチ(タイガーマスク、ザ・グレート・サスケ、藤波辰爾、ライガー組vs.田口隆祐、高岩竜一、大谷晋二郎、佐野直喜組、セコンドにはそれぞれエル・サムライと小林邦昭がつく)が決定済みだが、5日は未定となっている。
ヒロムは2018年6月に、ライガーのいないスーパージュニアを制したとき、こんなことを言っていた。
「あの人がいない今、元・新日本プロレスのジュニアの象徴の獣神サンダー・ライガーがいない今、その象徴となるのは、このオレだ。新日本プロレスのジュニア、いや、新日本プロレスの新しい象徴が、高橋ヒロムだ。間違いない」
ブレイクを置いてしまったが、ヒロムのその思いは今も変わらないはずだ。
1月5日はライガーの最後の試合となるが、去る者と引き継ぐ者、できることならライガーとヒロムのシングルマッチも見てみたいと思う。