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「逆転本塁打を打たれたかと思った」
筒香嘉智のスイング、メジャーが絶賛。

posted2019/11/02 20:00

 
「逆転本塁打を打たれたかと思った」筒香嘉智のスイング、メジャーが絶賛。<Number Web> photograph by KYODO

メジャー挑戦を表明した筒香嘉智。今季、DeNAでは29本塁打を放った。

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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KYODO

 2017年3月24日、フロリダ州ジュピター。当時、マイアミ・マーリンズに在籍していたクリスチャン・イエリチ(現ミルウォーキー・ブルワーズ)は、シーズン開幕まであと10日と迫りながらもこの日は休養が与えられ、ひとり自主練習を行なっていた。

 そのイエリチは顔見知りの日本報道陣を見かけると、彼の方からわざわざ歩み寄り、いつもよりテンションの高い声で話しかけてきた。

「スガノとセンガはいつこっちに来るんだい? ふたりは今すぐメジャーの先発ローテーションでトップを張れるよ。それほどセンセーショナルな投手だった」

 興奮冷めやらぬ表情で話すのには訳があった。彼は前日まで第4回ワールドベースボールクラシックでアメリカ代表の「3番打者」として、29打数9安打、打率.310の成績でベストナインに輝き、初優勝に貢献した。

「国を代表して戦うこの経験は今までに味わったことのないものだった。こんな気持ちになったのは生まれて初めてかもしれない。特に準決勝の日本戦はしびれたね」

イエリチが絶賛した「体格のいい外野手」。

 3月22日、ドジャースタジアム。侍ジャパンは3度目の優勝を目指しアメリカと戦った。だが、1対2で惜敗。息をのむ投手戦の中、メジャーの主力打者で固めたアメリカ打線に立ちはだかった日本の精鋭、それが菅野智之(巨人)と千賀滉大(ソフトバンク)だった。

 イエリチはふたりをメジャーのエース級と同格と評価した上で「打者でも素晴らしい選手がひとりいた」と言った。

「左打ちで体格のいい外野手。彼ならばこっちでも出来るんじゃないかな。とにかく彼のスイングは素晴らしかった」

 イエリチは「名前が思い出せない」と言ったが「8回は右翼へ逆転本塁打を打たれたかと思ったよ」と話したことから、それが右飛に倒れた筒香嘉智(横浜DeNA)であることはすぐにわかった。

【次ページ】 お世辞抜きの本音トーク。

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