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クラシコ延期と深い政治的背景。
迷惑なのはバルサ&レアルの相手? 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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photograph byUniphoto Press

posted2019/10/24 11:15

クラシコ延期と深い政治的背景。迷惑なのはバルサ&レアルの相手?<Number Web> photograph by Uniphoto Press

世界中が楽しみにするクラシコが延期。それに肩を落とすのはファン、そして対戦予定のリーガの他クラブも一緒で……。

バルサ、シャビ、ピケ、ペップが……。

 それゆえ反応は速く、激しかった。

 同日の午前9時半頃、最初の1人に判決が言い渡された直後、市民団体がツイッターを用いて抗議デモを呼びかけ、10時半頃にはバルセロナ中心部の道路が人で埋まり始めた。13時過ぎに「バルセロナ空港の機能停止」が指示されると人々は空港へ詰めかけて交通を遮断し、結果、午後から夜にかけて100を超えるフライトがキャンセルされた。

 サッカー界からは真っ先にバルサが「カタルーニャを代表する団体のひとつ」として、「表現の自由と決める権利を守るべく」判決への異議を発信し、「収監では解決しない」と主張した。続いてエスパニョールが「判決を尊重する」とした上で、遵法な対話による政治的・民主的解決法の模索を求めた。

 カタルーニャサッカー協会は有罪とされた9人との連帯を表明し、本部と地方支部の活動停止を発表した。2部ジローナや2部Bリェイダ、タラゴナもスペイン政府に対話を要求した。

 個人レベルではアルサッド(カタール)の監督をしているシャビが、カタルーニャ語とスペイン語と英語を使ってただ一言「恥」とインスタグラムで発信した。

 ピケやセルジ・ロベルトは前述のバルサのリリースに賛同し、グアルディオラは英語による2分超の動画を、ある市民団体を通じて発表した。その中でグアルディオラは、対話を拒み異論を持つことを犯罪化するスペイン政府が独裁的になりつつあることを訴え、スペイン政府に対話の席に着くよう求めた。

クラシコの日にデモを開催予定。

 そして、この日が終わる頃には独立を支持する政党、市民団体、労働組合が団結を示す大規模なデモを予定していることが報じられた。

 場所はバルセロナ。時は10月26日、土曜日。つまり、クラシコの日である。

 2日後、リーガは今季最初のクラシコの舞台をサンティアゴ・ベルナベウに変更して、後半の一戦をカンプノウで開催するようにスペインサッカー協会に要請した。 

 建前は「安全のために」だが、本音は違う。

 世界中から注目されるクラシコという舞台を独立支持派の示威行動の一環に利用されることを避けるためだ。『エル・ムンド』紙はスペイン政府関係者が秘密裡にリーガや協会と連絡をとっていたことを明かしている。

【次ページ】 収まらないのは割を食うクラブ。

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