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石川遼は今が最高に「いい状態」。
日本初のPGA大会で見た明るい顔。
posted2019/10/23 11:50
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Kyodo News
今週24日に開幕するZOZOチャンピオンシップは、日本で初開催される米PGAツアーの大会だ。その会場、アコーディア・ゴルフ習志野CCのクラブハウス近くに設けられたメディアセンターは、そのまま会見場としても利用できる米ツアーならではの仕様になっている。
開幕前の練習日とされていた22日、石川遼が会見に呼ばれ、壇上に座った。記者席を見渡した石川の視線が、たまたま私を捉えたらしい。すると石川はにっこり笑って、わざわざ会釈してくれた。
彼の笑顔は「お久しぶりです」と言っていたのだと思う。もちろん私も同じように「お久しぶりです」の意味を込めて会釈を返した。
選手とメディアの間でこんなやり取りができるのは、石川ならではである。彼の礼儀正しさ、謙虚さは、彼が米ツアーに出場していた2年前までと、まったく変わっていない。
16歳当時を思い出すほどの「いい状態」。
だが、米ツアーに出ていた当時と変わっていたのは、石川の表情だった。穏やかな笑顔は、今年の日本ツアーで日本プロ選手権と長嶋茂雄招待セガサミー杯を制し、出場2試合連続優勝を遂げたことで得られた自信の表れなのだろう。
そして、米ツアー時代に最後まで悩まされ、その後の日本でも苦悩してきた腰痛がようやく改善され、望んでいるゴルフができるという喜びの表れでもある。
「今年の春まで腰痛との戦いだった。腰をかばってスイングが悪くなることもあった。今年5月から、きつくトレーニングして腰痛が改善されて、今一番いい体の状態でプレーできている。やりたいスイングができている」
それは、プロになった16歳当時を自分で思い出すほどの「いい状態」だそうで、それは28歳の現在の石川が、苦悩してきた過去と決別し、「新生・石川遼」になったことを思わせる。