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「ついで」の存在からドラフト指名。
父の死、難病も乗り越えた望月大希。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byRyotaro Nagata
posted2019/10/21 20:00
日本ハムから5位指名を受けた創価大・望月大希。女手ひとつで育ててくれた母と写真に収まった。
父の死、母への感謝。
そして迎えた10月17日のプロ野球ドラフト会議。念願の指名を受けた。
「(なかなか指名されなくて)半分くらい諦めかけましたけど、北海道日本ハムファイターズさんが自分の名前を呼んでくれたときには家族全員で喜び合いました。本当に一安心しています」
10歳(小学4年生)のときに父を病気で亡くした。それからは母が女手一つで望月を含めた子供3人(兄・姉・自分)を養ってくれた。だからこれから親孝行をしたいと考えている。
「お母さんには本当に兄弟3人の面倒を見てもらって、ここからだというときに自分も病気になってしまった。そのときも家族が野球をやらせてくれたので、簡単に離脱するわけにはいかなかった。早く治してという感じでそのとき母も全力でサポートしてくれて、本当に感謝しかないです」
父の死を乗り越え、難病を乗り越え、飛び込んでいくプロの世界。
もう誰も「ついで」だなんて思いやしない。
望月大希は、家族とチームを支える一本の大黒柱へ成長して次の舞台に乗り込む。