スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
久保建英はレアルに爪痕を残せるか。
初真剣勝負、ボールさえ渡れば……。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byGetty Images
posted2019/10/19 11:30
アトレティコ・マドリー戦ではポスト直撃のシュートを放った久保建英。公式戦初ゴールがレアル相手なら、これほどまでに分かりやすいアピールはない。
代表戦後の長距離移動はあるが。
久保は9月に続いて日本代表に招集され、スペイン→日本→タジキスタン→スペインというハードな長距離移動を終えたばかりだ。移動疲れや時差ボケに加え、1週間以上もチームを離れていたことは先発争いにおけるハンディキャップとなるだろう。
ただ今回のワールドカップ予選2試合では、タジキスタン戦終盤の数分間のみの出場にとどまっただけに、本人はプレー意欲を募らせた状態でこの一戦に臨むだろうと想像できる。
真剣勝負でレアル相手に活躍できれば。
そうでなくとも、相手は自身の保有権を持つレアル・マドリーである。プレシーズン中の練習ではスター選手たちを相手に際立ったプレーを何度も見せたが、実戦になれば話は別だ。
逆に言えば、真剣勝負の場でも彼らを相手に活躍することができれば、来季のトップチーム定着に向けてこの上ないアピールになる。
18歳の新鋭にとって、これ以上燃えるシチュエーションはないはずだ。