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「優勝国は無敗」という歴史――。
ラグビーW杯ベスト8展望、本命は?
posted2019/10/18 11:00
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Getty Images
ラグビーワールドカップ(RWC)も、いよいよ負けたら終わりの「ノックアウトステージ」に突入する。
これまでのRWCの歴史を紐解いてみると、優勝したチームは、プールステージを含めて一度も負けたことがない。
つまり、これまでの8回の優勝国は無敗で頂点にたどりついているのだ。
今大会、プールステージ終了時点でその条件に合致しているチームは……5つである。ニュージーランド、イングランド、フランス、ウェールズ、そして日本だ。
オールブラックスの凄まじい集中力。
3連覇を狙うニュージーランドは、盤石の態勢でノックアウトステージに入ってきた。プールステージ初戦の南アフリカ戦では、後半の相手の追い上げをしのぎ、23-13で勝利して、プールBの1位通過を決定づけた。
ニュージーランドの素晴らしさは、チャンスと見るやいなや、全員の意識が一瞬にして統一されることだ。英語では、“On the Same Page”という言葉を使うが、15人の考えていることがシンクロしていく。そのときの集中力はすさまじい。
また、プールステージで対戦したナミビアの選手たちは、試合終了後、口々にこう話していた。
「オールブラックスのメンバーは本当に尊敬できる。試合が終わった後、ロッカールームに訪ねてきてくれて、会話をしたけれど、みんな謙虚で、素晴らしい人たちだった」
最強とうたわれるオールブラックスの面々が謙虚で油断をしないのならば、本命の座は揺るがない。