酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
ドラフトくじ運はパが強い説は本当?
過去11年のドラ1抽選を調べてみた。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byHideki Sugiyama
posted2019/10/10 11:15
昨年のドラフトの目玉となった根尾昂、藤原恭大(当時大阪桐蔭)は競合の結果、それぞれ中日とロッテに入団した。
各球団の「競争率」を見てみると。
もう少し踏み込んで見てみよう。各球団が獲得した選手の「競争率」の平均を出してみる。2球団が指名すれば2倍、3球団なら3倍だ。
1.西武 4.67倍(3人 14球団)
2.日本ハム 4.25倍(4人 17球団)
3.ソフトバンク 3.67倍(3人 11球団)
4.広島 3.00倍(3人 9球団)
5.楽天 2.83倍(6人 17球団)
6.ロッテ 2.75倍(8人 22球団)
7.中日 2.60倍(5人 13球団)
8.阪神 2.50倍(4人 10球団)
9.ヤクルト 2.33倍(3人 7球団)
10.DeNA 2.25倍(4人 9球団)
11.巨人 2.00倍(2人 4球団)
11.オリックス 2.00倍(1人 2球団)
西武は競争率6倍の大石達也と菊池雄星を見事引き当てた。日本ハムは7倍の清宮幸太郎と4倍の有原航平、斎藤佑樹の交渉権を得た。またソフトバンクも3倍の高橋純平と5倍の田中正義の当たりくじを引いている。
ロッテは倍率が低めだったりする。
それぞれのリーグの競争率を見ると、パは3.32倍(25人/83球団)、セは2.48倍(21人/55球団)だった。
ロッテのように指名が重複しそうな選手を避けて、倍率が低めの選手を指名しているチームもあるが、倍率で見てもパのほうが優勢だ。
「交流戦でパが強いのは、ドラフトのくじ運がいいからだ」なんていう評論家もいる。ドラ1選手だけで試合をしているわけではないから、牽強付会だとは思うが、現時点でパのくじ運が強いのは間違いない。
こうして、くじ引きで取れなかった選手の顔ぶれを見ているとため息が出てくる。各チームのファンはこの顔ぶれを見渡して、「あの選手も、この選手も、うちのチームに入る可能性があったんだ!」と思うことだろう。