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2009年ドラフトの今を検証<阪神編>。
4位秋山拓巳ら下位指名に好素材。

posted2019/10/08 18:00

 
2009年ドラフトの今を検証<阪神編>。4位秋山拓巳ら下位指名に好素材。<Number Web> photograph by Kyodo News

秋山拓巳は1年目の8月プロ初登板初先発。2年目以降で苦労するも、2017年は12勝を挙げる活躍を見せた。

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小関順二

小関順二Junji Koseki

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Kyodo News

 いよいよ今年も「プロ野球ドラフト会議」の季節がやってきました。NumberWebでは、昨年も好評だった全12球団の10年前のドラフトを振り返って現在の戦力を検証する短期集中連載を企画しました。ジャーナリスト・小関順二氏による分析のもと、ドラフトの歴史を振り返ってみましょう。

 第5回は阪神タイガースです!

<2009年ドラフト>
1位 二神一人/投手/法政大
2位 藤原正典/投手/立命館大
3位 甲斐雄平/外野手/福岡大
4位 秋山拓巳/投手/西条高
5位 藤川俊介/外野手/近畿大
6位 原口文仁/捕手/帝京高
―育成―
1位 高田周平/投手/BCリーグ信濃
2位 田上健一/外野手/創価大

 即戦力と見込んで1、2位で指名した大学生投手だが、2位の藤原が1勝しただけで二神は0勝、さらに3位の大学卒外野手の甲斐は一軍出場なしと惨憺たる結果になった。前年の'08年も1~4位すべてが大学生で、成功しているのは上本博紀だけ。'05~'07年の分離ドラフト・大学生&社会人ドラフトでは指名した10人のうち6人が大学生で(投手は5人)、成功しているのは岩田稔だけ。

 大学生の、とくに投手との相性の悪さは際立ち、'10年以降は指名が控えられていた。'12年は高校生の1位藤浪晋太郎、2位北條史也が活躍して高校生路線が定着すると思われたが、'13年は1位で大学生の大瀬良大地に入札して抽選負け→外れ1位で社会人の柿田裕太(DeNA)に入札して抽選負け→外れ外れ1位で大学生の岩貞祐太を入札して獲得。'14年は大学生の有原航平に入札して抽選負け→外れ1位で大学生の山崎康晃(DeNA)に入札して抽選負け→外れ外れ1位で社会人の横山雄哉に入札して獲得と、即戦力志向に逆戻りした。

 ドラフトで試行錯誤する阪神らしい姿だが、'09年はそういう阪神の迷いを象徴するような指名だった。それでも注目したいのは4位以下だ。

【次ページ】 4位秋山、5位俊介、6位原口。

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