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ラグビーW杯審判団に選出の日本人、
久保修平さんに聞くレフリーの仕事。
posted2019/09/27 08:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Naoya Sanuki
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大学2年でレフリー(主審)を始め、卒業後も教員をしながら審判ライセンスを取得していきました。2013年に最上位のAに昇格し、翌年、32歳で日本協会所属のプロに。それからは、国内でトップリーグなどを担当し、'15年にU-20W杯の審判団に選ばれました。
'16年には日本人で初めて、スーパーラグビーのレフリーに指名されました。今年はシックスネーションズ(欧州6カ国対抗戦)でアシスタントレフリー(AR)を2試合任されています。そうした積み重ねがあって、W杯のARに入ることができたのだと思います。W杯の審判団は12人のレフリーと7人のAR、4人のテレビジョン・マッチ・オフィシャルで構成されます。
21番目のチームという意味で、『チーム21』と称されています。
ARはボールや選手がラインを出たかどうか、ゴールが成功したかどうかを見極めるのが最も大事な仕事です。また、ARとして常に気を付けているのは、レフリーをどう支えるか。レフリーはそれぞれにラグビー観やレフリー観があり、ゲームコントロールのアプローチが違います。一緒に組むレフリーが過去に担当した試合をチェックして、個々の特徴を把握する。それによって、的確なサポートができるように準備します。
アイルランド戦のレフリーに注目を。
たとえば、日本対アイルランド戦を担当するアンガス・ガードナーは、反則の基準を早めに示して、ゲームがうまく流れるようにしていくタイプ。昨年の世界最優秀レフリーなので、注目してみて下さい。
ARは試合中、レフリーと密にコミュニケーションを取りますが、選手とも話をします。ライン際に立っているので、ウイングの選手との会話が多いですね。そこまでの試合の流れから反則が起きそうなプレーを指摘しておいたり、レフリーの判定について「こういうふうに判断したのだよ」と補足したりします。