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グレコと東京五輪にかける青春。
文田健一郎はカザフで金色に輝く!
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byKiyoshi Ota/Getty Images
posted2019/09/15 11:40
2019年6月に開催されたレスリング全日本選抜選手権大会で優勝している文田健一郎。
カザフスタンでまずは金色を狙う!
街に盛り場はおろかゲームセンターすらないような環境の中で文田は練習に明け暮れた。
「遊びに行くとしたら30分に1本の電車に乗って甲府に出るしかなかった。でも、練習が終わったら学校から駅までは距離があるし、そういうことをしようとする体力も残っていない(笑)。振り返ってみると、高校生という年代ではひとつのことだけに集中できる環境に身を置くということも大事だと思います」
文田は昨年12月の天皇杯と今年6月の明治杯の60kg級決勝で、大学の先輩であり国内最大のライバルでもあるリオデジャネイロオリンピック59kg級銀メダリストの太田忍(ALSOK)を連破。
9月14日(現地時間/文田の試合は日本時間の16日より)からカザフスタンで開催される世界選手権への出場切符を手にした。3位以内に入賞すれば、文田は五輪代表権を手中にできる。
「世界選手権は2年ぶり。去年(ケガで)出ていない分、挑戦者というか、最初からしっかり闘っていきたい」
豪快な反り投げで、カザフから東京まで金色のアーチを描けるか。