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<指揮官就任から3年間の軌跡>
ジェイミー・ジョセフ「史上最強のジャパンになるまで」

posted2019/09/14 15:00

 
<指揮官就任から3年間の軌跡>ジェイミー・ジョセフ「史上最強のジャパンになるまで」<Number Web> photograph by Yuka Shiga

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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Yuka Shiga

「これは準備の最終章」。W杯開幕2週間前、指揮官自ら銘打った南アフリカ戦は、大敗に終わった。この3年間におよぶ準備には、一つのテーマがある。それは、ティア1勢すべてと戦うことだった――。(Number986号掲載)

「この何週間かの間、いろいろな人に同じことを質問されました」

 9月4日、南アフリカ戦の登録メンバー発表会見の冒頭で、日本代表を率いるジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)は、選んだ選手の名前を読み上げる前に、こう切り出した。

「W杯の前に南アフリカと戦うのは“リスク”ではないのか? と。私にはその質問の意図がわかりません。2016年以降、すべてのティア1のチームと対戦してきた。そういう強敵と戦わなければ、自分たちの本当の力を知ることができないからです」

 日本代表を長く見てきた者からすれば、質問者の気持ちは想像できる。W杯の直前にケガ人が出る怖れはないか。大差で負けたりしたら、せっかくパシフィック・ネーションズカップの優勝で盛り上がっているチームの勢いが殺がれはしないか……。

 だが、オールブラックスのNO8で鳴らした指揮官に、そんなネガティブな発想はなかった。

「世界で最も体の大きなチームを相手に、世界で最も小さい日本がどんな勝負をできるのか。このチャレンジはまさに、必要な試合なのです」

 対ティア1シリーズの集大成。ジェイミーの言葉にはそんなニュアンスがあった。ティア1とは、世界ラグビーの上位を占める欧州シックスネーションズと南半球の4カ国による「第1階層」を意味する。世界ラグビーの歴史のほとんどは、その国々によって築かれてきた。

 そして、史上初めて、ラグビーの伝統的な強豪国以外でW杯の開催国となった日本は、前回W杯以後の4年間、ティア1勢との対戦を重ねてきた。

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ジェイミー・ジョセフ

ラグビーの前後のコラム

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