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「世界を変える」空手家・清水希容。
宝塚男役と綾瀬はるか、両面の魅力。
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byItaru Chiba/AFLO
posted2019/09/16 19:00
KARATE1 プレミアリーグ2019 東京大会 女子 個人 形 決勝での清水。僅差でライバルのサンドラを破り、優勝を果たした
「無心で演武したのが良かった」
「もうやるしかない、と。ほとんどやったことのない形だったけど、とりあえず思い切りやろうと思いました」
あれこれ考えている余裕はなかった。それが功を奏した。0.26という僅差ながら、審判は清水の勝利を支持した。
「無心で演武したのが良かったんだと思います。そこが審判の人たちに伝わったんだと思います」
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これまで僅差でサンドラに負ける要因となった息吹や叩きの音(演武の際、道衣を叩いて音を出してしまうこと)にも注意を払った。
「決勝は2試合ともしっかりと息吹も叩きも確実に鳴らないように意識していました」
東京五輪は同じ日本武道館で。
立て続けに2度も決勝を行なったことも大きな収穫だったと振り返る。
「オリンピックの練習を2度もさせてもらったようなものだと思います。オリンピックになると緊張感も違ってくる。どんな状況になっても平常心を保てるように、これからもいろいろな経験を積みながらやっていきたい」
東京オリンピックは同じ日本武道館で行なわれる。清水は“武道の聖地”といわれるこの会場が気に入っている。
「サンドラは良きライバル。これから東京まで勝ったり負けたりを繰り返すんだと思う」
もう一度、ふたりは武道の聖地で相対するのか。