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「世界を変える」空手家・清水希容。
宝塚男役と綾瀬はるか、両面の魅力。
posted2019/09/16 19:00
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
Itaru Chiba/AFLO
強く、激しく、美しく。
先日、経済誌『Forbes JAPAN』は「日本発『世界を変える30歳未満』30人」に形の空手家・清水希容(ミキハウス)を選出した。
スポーツ部門では平野歩夢や八村塁らが選ばれているが、清水は同じカテゴリーではなく将棋棋士の藤井聡太らとともにDOU(道)部門で受賞している。スポーツである一方で武道として存在する空手道を追求する武道家としてこれほど名誉なことはあるまい。
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見ての通り、演武中の清水はキリリとした宝塚の男役のような容姿で見る者を引きつける。その一方で舞台を下りれば“空手界の綾瀬はるか”と言われるほどおっとりとした天然系の女性に変身する。そのギャップも魅力なのか。
世界選手権で2度優勝の実力派。
だからといって人気先行型ではない。全日本選手権は現在6連覇中で、2年に一度開催される世界選手権でも2度優勝しているれっきとした実力派だ。
彼女が専門とする形は四方に対戦相手がいることを想定した上で次々と技を繰り出し、その正確さや力強さを競う。空手といえば組手をイメージする人も多いが、実戦性と芸術的な要素も内包したこのスタイルは一部の国では組手を凌ぐほどの人気を誇る。
2020年の東京オリンピックで初めて五輪種目になった空手は組手とともに形も採用され、男女とも金メダル獲得が期待されている。女子では清水が最有力候補だが、昨年の世界選手権は準優勝に終わる。V3の夢を断ち切ったのはサンドラ・サンチェス(スペイン)。パワーが持ち味の形で、30歳を過ぎてから台頭してきたベテランだ。
世界選手権後の国際大会でも清水とサンドラは勝ったり負けたり。“空手界のチャンピオンズリーグ”といわれる今年のKARATE1プレミアリーグではパリ大会で清水が勝ったが、続くドバイ大会はサンドラが雪辱した。その後のラバト大会では清水が盛り返したが、上海大会ではサンドラが再び勝ち名乗りをあげた。