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現世界3位のゴルファーに称賛の声。
コルセット姿で支援物資を自ら……。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySports Graphic Number
posted2019/09/11 08:00
ダスティン・ジョンソンがSNSで公開した支援物資を詰める姿。善意を善意として表明するのもスターの使命なのだ。
「僕の気持ちは手術くらいじゃ止まらない」
ジョンソンはバハマを訪れた際、現地の人々に何かとお世話になり、「恩義」を感じているそうだ。だからこそ、自分にできることをしてあげたい。そんな素直な気持ちがジョンソンの胸の中にあったことは確かだ。
「バハマの友を助けたいという僕の気持ちは、手術を受けたぐらいじゃ止まらない」
この言葉に込められたジョンソンの気持ちにウソはないと私は思う。
社会のために動くことが一流の条件。
ジョンソンのバハマ支援に続き、米ツアー選手のジャスティン・トーマスも動き出した。トーマスは今年の残り試合すべてにおいて、バーディーを1つ取るたびに1000ドルをバハマへ寄付する「バーディー・フォー・バハマ」キャンペーンを提唱し始めた。
「僕がツアー仲間の先頭を切って、このキャンペーンを始めます。米ツアーのみんなに参加してほしい」
社会のため、人々のため、とりわけ困っている人々、弱っている人々に手を差し伸べる。今すぐ自分ができることを考え、即行動する。それが、米ツアー選手が一流であることの何よりの証だ。
逆に言えば、そういう気持ち、そういう姿勢を備えていない選手は一流にはなれず、一流とはみなされないのが米ゴルフ界であり、それが米国社会でもある。
身も心もボロボロだったジョンソン、手首を故障して実力が発揮できぬまま昨季を終えたトーマス。そんな2人がバハマ救済の声を上げた姿は、米国そして世界の人々の感動を呼んだ。
そして、ゴルフの世界から発せられる優しさが、社会の役に立つ。そんな現実のストーリーを垣間見ることは、ゴルフの世界の魅力を伝え続けている私にとっても、とても嬉しいことである。