バスケットボールPRESSBACK NUMBER
八村塁不在でも日本バスケに見たい、
アメリカ戦・馬場雄大のような姿勢。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byYukihito Taguchi
posted2019/09/07 11:50
八村塁(左)が完璧に封じられた中、気を吐いた馬場雄大。アメリカとの実力差を味わえたことは今後に生きるはずである。
渡邊が強調する「心の準備」。
思い出すのは、チェコ戦後に渡邉が話していたことだ。課題として挙がったフィジカルコンタクトについてこう表現している。
「メンタル的な部分は絶対にあると思います。相手がフィジカルでやるというのも最初からわかっていますし、自分たちが急にフィジカルが強くなるとかは無理なので。いかに最初から、心の準備をやっていくか。自分と(八村)塁は30分(の出場時間)でも、ほかの選手は20分近く。それくらいの時間なら、絶対にみんなコンピート(※闘える)できるだけの体力はあるはずなので」
自分の良さとは何か。プレッシャーがかかり、相手のレベルの上がる大舞台で活躍するために必要なものは何か。
最初の2試合での悔しさを燃料にしたからこそ、馬場は世界の舞台で戦えるハートの持ち主であることを証明した。
八村不在の中でどこまで戦えるか。
グループリーグ最下位となった日本は順位決定リーグへと進み、ニュージーランド、モンテネグロと対戦する。
そしてアメリカ戦から一夜明けた9月6日、日本バスケットボール協会は、この2試合を八村が欠場すると発表した。彼が膝の不調と疲労を抱えていたこと、NCAAのシーズンのあともほとんど休みがなかったことが考慮されたという。
とはいえ、地元開催のオリンピックまで1年を切っているわけで、無駄にしていい試合などひとつもない。
エースを欠いて挑む2試合で、アメリカ戦の馬場のような姿勢を、どれだけの選手が見せられるのか。
東京オリンピックに向けたサバイバルでもあり、日本代表の未来を前に進めるためでもあるのが、これからの2試合なのである。