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トルコ戦完敗は日本バスケの出発点。
ラマスHCが見据えるW杯、五輪の先。
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYukihito Taguchi
posted2019/09/03 11:00
W杯初戦のトルコ戦は完敗に終わった日本。世界大会の厳しさを思い知る結果となった。
共同キャプテンに任命された渡邊。
それを象徴することがあった。
ラマスHCは、大会を前に、これまで代表キャプテンを務めてきた篠山竜青に加え、渡邊を共同キャプテンに任命していた。渡邊はA代表での経験は少なく、本番の試合は2018年9月のワールドカップ予選ウィンドウ4の2試合を戦っただけだったが、それでも今の日本代表にとってキャプテンにふさわしい存在なのだという。
そこにはラマス流の考えがあった。
「私たちは(東京)オリンピック後にワールドカップの出場権を取るという新しい目標もある。そのためには『挑む』ということがとても大事だと思っています。自分たちよりもずっと長いバスケットボールの歴史を持ったチームにチャレンジしなくてはいけなくなります。
彼と塁(八村)は、彼ら自身がアメリカに渡り、NBAでプレーすることで歴史にチャレンジしてきました。それはとても大事なこと。彼らは若いですが、彼らは日本のバスケットボールのチャレンジを前に進めることができる選手たちです」
現日本代表が本気の世界に挑んだ最初の戦い、トルコ戦は、確かに完敗だった。しかし長い目で見たとき、これはスタート地点にすぎない。日本のチャレンジはまだ始まったばかりだ。