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トルコ戦完敗は日本バスケの出発点。
ラマスHCが見据えるW杯、五輪の先。
posted2019/09/03 11:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Yukihito Taguchi
試合の出だしから完敗だった。
FIBAワールドカップのグループラウンド初戦のトルコ戦で、日本は試合開始早々から、トルコにレイアップやダンクでの得点を許してしまった。ゾーン・ディフェンス相手に3Pシュートも決められた。
ディフェンス以上に問題だったのがオフェンスだった。
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トルコから「間違いなく日本のキープレイヤー」(ジェディ・オスマン/クリーブランド・キャバリアーズ)と警戒されていた八村塁は、徹底マークされ、何もできなかった。タイミングが悪いことに、2日前から発熱で練習に十分に参加できていなかったことも影響があったかもしれない。
それ以上に、サイズも経験もあるアーサン・イリヤソバ(ミルウォーキー・バックス)に徹底マークされ、思うようにポジションを取ることもできなかった。ようやくパスが入っても、ダブルチーム、トリプルチームで固められ、シュートを打つにも苦労していた。シュートミスやターンオーバーは、相手の速攻につながり、ディフェンス崩壊につながった。
点差以上に痛感した世界との差。
前日に、トルコが自分を止めに来ると言っていることについて聞かれた八村は、「僕を止めても他に4人いるから関係ない。僕らのバスケをするだけ」と言っていたのだが、その『自分たちのバスケットボール』をまったくさせてもらえなかった。結局、第1Qで12−28と大きく差をつけられ、第2Qには互角に戦えたものの、第3Qでまた引き離された。終わってみれば67−86、点差以上の完敗だった。
「試合が始まったときから最後まで、試合をコントロールされてしまった」と、日本代表ヘッドコーチのフリオ・ラマスも言う。
策がなかったわけではない。しかし、頭でわかっていても、実際にコートで実行できるかどうかはまた別だ。試合後に、選手たちも口々に、フィジカルの強さの差と世界大会での経験の差を痛感したと語っていた。
「チームとしても初めてのワールドカップということで臨み、世界の強さっていうものも感じましたし、その中でも、僕らも全然100%で試合できていなかった」と八村は反省する。さらに、相手の自分に対するディフェンスについても、「スカウティングをしっかりしてきて、僕のやりにくいプレーをして、僕らに対応してきた。僕らはそこにちゃんと対応できなかった」と、対応力の差を感じたようだった。