フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
前年のファイナル王者に勝利!
ジュニアGP初優勝・佐藤駿。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAkiko Tamura
posted2019/09/02 18:00
レイクプラシッドでのジュニアGP大会で優勝を飾った佐藤駿。埼玉栄高校に通う15歳。
憧れの選手は羽生結弦。
ジュニアGP大会デビューで優勝して好調なスタートをきった佐藤だが、将来シニアで戦っていくにはまだまだ足りないものがあるという自覚はある。
「4回転だけでなく、スピンなどももっと上達しないといけない。それと、体力づくりをしていかないといけないと思っています」
お手本にして憧れている選手は、羽生結弦だという。同じ仙台出身ということで、彼自身、若い頃の羽生とよく比べられることもある。
「(羽生選手は)スピンやステップなど、すべてがうまい。また常に安定しているところも、すごいなと思います」
今季のフリーはニーノ・ロータの『ロミオとジュリエット』で、羽生結弦がソチオリンピックで滑った音楽でもある。
「この『ロミオとジュリエット』は、とても難しいプログラム。もっと滑りこんで、羽生選手のように動きに感情を込められるようになっていきたい」と目を輝かせた。
次のチャレンジはザグレブ大会。
仙台で東日本大震災を経験したのは、小学校1年生のころだった。幼かったとはいえ、被災してスケートができなくなったときのつらさはよく覚えているという。
「あのときの(練習ができずにつらかったという)気持ちを忘れないようにして、頑張っていこうと思っています」
現在は埼玉で日下匡力(くさかただお)コーチに指導を受けている。はじまったばかりの今シーズンだが、目標はジュニアGPファイナルに到達すること。そしてジュニア世界選手権で、表彰台に上がることだ。
ファイナル進出を決める次のジュニアGP大会はザグレブ大会である。
スケートをやっていてもっとも楽しいのは、ジャンプをうまく降りた瞬間だという佐藤。「気持ち良いな、って思うんです」とシャイな笑顔を見せる。ザグレブでもまた、気持ちの良い滑りを存分に見せて欲しい。