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田中恒成が予想外の難敵を沈めV2。
井上、村田を追う大器ゆえの焦燥感。

posted2019/08/26 11:45

 
田中恒成が予想外の難敵を沈めV2。井上、村田を追う大器ゆえの焦燥感。<Number Web> photograph by Kyodo News

高校時代から超エリートコースを歩んできた田中恒成は、プロでも14勝0敗。スターへの道を確実に歩いている。

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渋谷淳

渋谷淳Jun Shibuya

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 WBO世界フライ級チャンピオンの田中恒成(畑中)が24日、名古屋市の武田テバオーシャンアリーナで指名挑戦者(ランク1位)のジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)に7回2分49秒TKO勝ち。2度目の防衛を成功させた。

 波乱はなし―─。

 ランキング最上位者を迎える指名試合とはいえ、ゴンサレスは世界初挑戦。既に3階級制覇を達成している田中が「負けることはないだろう」というのが、戦前に耳にした大方の予想であり、私自身の見立てでもあった。結果はその通りだったのだが、試合内容は予想通り、とは言い難いものだった。

 小柄でスピードが持ち味のサウスポーであるゴンサレスに対し、田中は「スピードと駆け引きで勝負する」目論みだった。しかし、ゴンサレスの動きは予想以上に速く、かつカウンター狙いのディフェンシブなボクシングを徹底され、田中の思い描いたプランは開始早々に崩れる。

 こうしたゴンサレスのパフォーマンスに加え、王者自身が「コンディションをうまく作れなかった」というのだから、苦しくなるのは当然だった。

序盤からダウンを奪い合う激しい展開。

 KO狙いの田中はジワジワと前に出て強打を打ち込もうとするが、王者より8センチ背の低いゴンサレスは一瞬早く手を出すか、田中のパンチに合わせて素早くサイドにまわり、チャンピオンのミスブローを誘った。

 迎えた3回、田中が強烈な右をボディに叩き込み、あっさりダウンを奪ったときも、モヤモヤがきれいに晴れたとは言い難かった。

 案の定と言おうか、ゴンサレスは4回に入ると攻勢を強め、左フックで田中からダウンを奪い返す。これは首にヒットしたパンチで、田中にダメージがなかったとはいえダウンはダウンだ。

【次ページ】 「日本人選手がやられる典型的なパターン」

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