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凱旋門賞に日本馬3頭出走の可能性。
20数年前は想像しなかった海外志向。 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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photograph bySatoshi Hiramatsu

posted2019/08/23 19:30

凱旋門賞に日本馬3頭出走の可能性。20数年前は想像しなかった海外志向。<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

ナッソーSを制したディアドラは、9月14日のアイリッシュチャンピオンS(GI)を次走に見据えている。

ディアドラはアイルランドへ遠征。

 遠征する陣営が増えれば当然、持ち帰られる情報も多くなる。インターネットを始めとした様々なツールで、日本にいながらにして多様な情報を取り込める社会にもなってきた。このような時代の流れも海外遠征に拍車をかけた。

 馬自身や、その関係者が初めての海外遠征であっても、情報は手に入っている分、ひと昔前のように肩ひじを張らずに現地へ行けるケースが増えてきたのだ。

 この夏、ディアドラがグッドウッド競馬場でGIを勝利したのなどはその好例といえるだろう。日本馬が初めて走る競馬場で、物怖じすることなく、大レースを優勝したのだから……。

 また、彼女は引き続きニューマーケットに残り、今度はアイルランドへ遠征しアイリッシュチャンピオンS(GI)に挑むという。ここには地元の女傑マジカルなども出走を表明しており、一筋縄ではいかないレースになるが、日本馬にとってアイルランドでの初出走となる点もディスアドバンテージととらえなくても良さそうだ。

凱旋門賞には3頭が挑戦予定。

 インターナショナルSに出走したシュヴァルグランは、現在世界一のレーティングを誇るクリスタルオーシャンに挑戦。しかしシュヴァルグランは冒頭に触れたように8着、クリスタルオーシャンも2着に敗れ、アイルランドからの遠征馬ジャパンがこのレースを制した。

 また、凱旋門賞にはキセキ(牡5歳、栗東・角居勝彦厩舎)の他、ブラストワンピース(牡4歳、美浦・大竹正博厩舎)とフィエールマン(牡4歳、美浦・手塚貴久厩舎)も挑戦する予定のようだ。

 両馬はともに18日に行われた札幌記念(GII)を走りそれぞれ1、3着。良い形で機上の人ならぬ機上の馬(?)になれそうだ。日本馬の海外遠征が珍しくなくなってきた現在、日本のホースマンにとっての悲願である凱旋門賞制覇も、夢ではなくなっているのかもしれない。

 女王エネイブルの3連覇を止めるのは日本馬か? 期待は膨らむばかりだ。

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