炎の一筆入魂BACK NUMBER
誰もが「天才」と呼ぶ西川龍馬。
1番打者として開花した広島の才能。
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byNanae Suzuki
posted2019/08/19 20:00
広島の1番・西川龍馬は7月にプロ野球史上初の4カード連続で先頭打者ホームランを記録した。
首脳陣も期待する伸びしろ。
高い打撃技術は首脳陣も認めるところだが、東出輝裕打撃コーチは西川により高いレベルを求める。
「求めるものは高いかもしれない。でも、できそうにない選手には言わない。西川ならできると思っているから言っている」
技術だけでなく、相手バッテリーとの駆け引きや狙い球など打撃での課題もまだあるという。ただ、伸びしろがあるからこそ、さらなる成長が期待できる。
緒方孝市監督は「夏場くらいからちょっとメリハリというか、カウント球、追い込まれてからの打撃には工夫が見えるね」と打席を重ねるごとに成長する姿に目を細める。
広島はシーズン終盤になっても、苦しい戦いを強いられている。4連覇は厳しい状況にはあるが、日本一への目標は消えはしない。
球宴期間の連休で、西川は富士山を拝んできたという。日本一の山はやはり特別だった。きっと球界の日本一も特別な景色に違いない。
追い求める打撃道とともに、戦いもまだ、終わってはいない。