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苦手な夏に月間MVP、鼓舞する姿も。
十字架背負う山崎康晃へ高まる信頼。 

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byKyodo News

posted2019/08/16 18:45

苦手な夏に月間MVP、鼓舞する姿も。十字架背負う山崎康晃へ高まる信頼。<Number Web> photograph by Kyodo News

毎年、夏に調子を落としていた山崎康晃。今年は後半戦に入ってからも好調を維持している。

夏場へ向けた体づくり、日常生活に変化。

「今年は例年以上に夏を迎えるにあたって細かな準備をしてきました。トレーナーサイドと相談しながら、春からコンディショニングを含め口うるさく言ってもらってきたんです」

 体重に関しては昨年よりも3kg落として維持してきた。たかが3kgと思われがちだが全体のバランスも含めピッチングには微細な加減が重要なのだという。

「いろいろなことに敏感になっていますよね。5年目ですからどんな状況で体に張りが出てくるかわかってきましたし、フォームに関しても手を加えてバランスよく投げられている。それもあって2連投、3連投しても大丈夫な体になってきていると思います」

 日常生活においてもずいぶん意識が変わってきている。

「大事なのは睡眠ですよね。7時間はとるようにしています。あと、なるべく早起きをして、球場に入る前の時間をどのように過ごすか大切にしています」

 戦いは球場に入る前から始まっている。もちろん神経質になりすぎてしまえば疲弊してしまうが、そこは長らく一番緊張する厳しい場面で仕事をしてきた山崎である。微妙な匙加減でオンとオフを切り替えながら、自分の出番に向け心と体を作り上げている。

積極的に使うカットボール。

 また、テクニカルな部分において今季はストレートとツーシームに加え、カットボールを積極的に投げるようになった。全体的な比率からすればまだ数パーセントの使用にすぎないが、空振りをとれるボールになっている。ときにはその切れから捕手の伊藤光がパスボールをすることもあった。

「カットは上手く機能していると思いますね。まだ点差があるときとか楽な場面で使うことが多いんですけど、この先自分を助けてくれるボールだということは確信していますし、ピッチングの幅を広げるためにも必要だと思っているんです」

【次ページ】 打者3人できっちり抑えるピッチング。

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