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名手マーフィー騎手に導かれて。
ディアドラ、初の海外GI制覇達成。
posted2019/08/09 07:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
現地時間8月1日、イギリスで日本馬のディアドラ(牝5歳、栗東・橋田満厩舎)がGIを制覇した。
彼女が走ったのはナッソーS(GI、芝10ハロン=約2000メートル)。3歳以上牝馬のビッグレースで、例年、古馬牝馬とその年の欧州各国の1000ギニー(日本でいうところの桜花賞に該当)やオークスで好勝負を繰り広げてきた馬達が集結する。
3月にドバイへ遠征した後、1度も帰国する事なく香港、そしてイギリスへ飛んでこれがこの遠征での4戦目。通算で海外6戦目となったディアドラにとって、今回の勝利は嬉しい海外初優勝となった。
これまでの海外5戦は始めの2戦で手綱をとったC・ルメール騎手に始まり、J・モレイラ騎手を挟んで武豊騎手が2戦。そして今回は初めてO・マーフィー騎手が手綱を取る事になった。
17歳でデビュー、1年目から活躍。
昨年の暮れからこの年頭にかけ、短期免許を取得して日本でも騎乗したマーフィー騎手。その活躍で一躍、日本の競馬ファンにも名が知れたが、1995年9月6日、アイルランドで生まれた彼はヨーロッパでは少し前からすでに頭角を現していた。
叔父も元ジョッキーという彼は幼少時からポニー競馬にも参戦。その後、アイルランドのトップトレーナーであるエイダン・オブライエン調教師の下で修行をし、2013年5月、17歳の時にプロデビューを果たした。
「生まれ故郷のアイルランドではなく、イギリスでデビューしました」
するとアンドリュー・ボールディング調教師の助けもあり、デビュー1年目から41勝を挙げる活躍。2年目は3月に準重賞勝ち、5月には自身初の重賞制覇となるテンプルS(GII、ホットストリーク騎乗)優勝もマークした。